ブログ、蟹鍋の裏です。 誰がなんて言おうと裏です。 表には出せない卑猥なものから、 個人的に身内に見られると恥ずかしい読み物などを置いていこうと思います。 絵茶でハジケすぎた場合もこちらに。 たぶん更新頻度は少なめ。
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第2節
○赤い記憶○



親父が再婚したのは、俺がまだガキの頃。
おふくろは俺が3、4歳位の時に交通事故で死んだらしい。
その3年後、遠藤貞子という名前の女が親父と結ばれた。

遠藤貞子は親父が高校生だった頃の同級生らしい。
それなりに美人だし、40代後半の今でも老いを感じさせない。
快活で明るく、誰にでも好かれるような性格をしている。
表向きは。

親父は仕事で家に居ない事が多く、また泊り込みも多かった。
そんな時はいつも、俺は遠藤貞子に近寄らなかった。

殴られるからだ。

遠藤貞子は親父の居ない時は、決まって俺を殴った。
理由は簡単だ。
俺がお袋の子供だから。
遠藤貞子は昔から親父のことが好きだったみたいで、
親父を盗ったお袋を憎んでいた。
近所の噂では親父がお袋と結ばれた時は半狂乱していたらしい。
お袋が事故で死んだことで、一応復帰したみたいだが…

その後が問題だった。
幼馴染ということもあり、親父は遠藤貞子の面倒を見た。
だけどそれによって二人の距離はさらに縮まり、
結果として二人は結婚。
遠藤貞子は、憎い女の息子と一緒に暮らすことになった。

その頃の俺は純粋だったと、自分でも思う。
最初はただのしつけとして殴られているのだと思った。
でもすぐに違うことに気付いた。

ドアを閉める音がうるさいと言われ殴られた。
食事をほんの少し残しただけで殴られた。
風邪を引いて学校を休むと殴られた。

だからなるべく静かにドアを閉めるようにしたし、
食欲がなくても食べ物は残さなかったし、
病気でも無理して学校に行った。
それでも殴られた。

病院の世話には何度もなった。
そのうち病院の先生と顔見知りになった。
いざという時助かるが、あまり嬉しいことじゃないと思う。

何をどうやっても殴られるから、俺は家に帰ろうとしなくなった。
ギリギリまで舞や友達と遊び、
夜遅くに寝るためだけに家に帰る。
朝は5時に起きて家を出る。
朝食は全て近所のパン屋のおこぼれ。
6時前には学校に着くから、始まるまで足りない睡眠時間を補う。
学校での授業はちゃんと受け、休み時間は思い切り遊ぶ。
学校生活は充実してるかのように聞こえるが、実は学校でも色々あった。

いじめだ。
友達になってくれた奴らは皆して俺をかばってくれたが、
調子に乗った馬鹿はどこにでもいるもんだ。
何度もいじめようとして来る。
いじめの理由は簡単だ。
俺がハーフだからだ。
日本人である親父の血が濃く出ているが、
青い瞳が純粋な日本人であることを否定する。

八方塞がりの状態が数年続いた。
名前で呼ばれるたびに、世の中が嫌いになっていくのが解った。

アカシア。
それが俺の名前。
花の名前から取ったもので、花言葉は「真実の愛」…
だが俺は愛がどんなものか知らない。
もう忘れてしまったと言ったほうが良いだろうか。
それに自分の名前は嫌いだ。
俺がハーフである、一番の証のような気がするから。

外国人であるお袋と結婚した親父を、俺は憎んでいるわけじゃない。
ただ、納得できなかった。
お袋が死んで、なんで遠藤貞子と再婚したのか。
それはお袋を捨てたことと変わりないんじゃないか。
責めたいことは沢山ある。
でもそんなことを言う暇がないほど、遠藤貞子を憎んでいた。

高校に入ってからようやくいじめもなくなり、
一人暮らしを始めたことで俺の生活も落ち着いてきた。
それでも遠藤貞子の話をされると、怒りで手が震えてくる。

いつ殺してもおかしくなかった。

実際その一歩手前まで行った。

それでも殺さなかった。

いや、殺せなかった。

それはある事件が原因だった。

その事件とは…

「……く…?あっ…ん?……くん?」

幼き日の思い出が、まぶたの裏にフラッシュバックする。

俺は…刃物を手に…奴を…



舞「あっくん? ちょっと聞いてるの、あっくん!?」
ハッとして左を見ると、舞が心配そうな顔でこっちを見ている。
その視線は「あの日」を思い出していた俺には、痛かった。
舞「どうしたの、ボーっとして…?」
大丈夫?と聞いてくる舞に、戸惑いながらも返す。
アカシア「あ…ああ、大丈夫だ」
舞「全然大丈夫に見えないんだけど…?」
アカシア「心配しなくても、平気だから」
舞「なら良いけど…あんまり思い詰めちゃ駄目だよ?」
こいつは昔からこういうことには勘が鋭い。
アカシア「解ってる…つもりだ」
舞「ほら、元気出して! 空元気でも元気の内だよ!」

努めて明るく話しているが、暗い空気に飲み込まれないよう、
舞なりに頑張っているからだろう。
本当に頑張らなくちゃいけないのは俺なのに…
何をやっているんだ、俺は。

アカシア「頑張らないとな…」
舞「え、何? なんて言ったの?」
舞の顔をまっすぐ見て、努めて明るく、笑顔で、
アカシア「なんでもない」
答えた。
突然の笑顔で、舞は驚いたようだった。
でも次の瞬間には、一緒に笑ってくれた。

なぁ、俺はちゃんと笑っているだろうか。
ぎこちない顔になっていないだろうか。
明るく振舞っても、内心では、まだそんなに明るくなれなかった。













○後書○

はいはい第2節ですね。

またなっげー!

しかもまた暗い!
そしてまだヒロインが出ない!(笑)

本編のヒロインが登場したあたりから、
一気にコメディタッチになりますがね。
ヒロインはギャグ担当なのでございます(笑)
登場を楽しみにして頂けると嬉しいな。

ではではこの辺で。
ばいちゃ!











ヒロイン登場まであと1、2話。
それまで暗いぞ(何言ってんの)
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ついに裏ブログまで…
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